[Scheme][Gauche] 第1回Schemeコードバトン
Schemeコードバトン*1が回ってきたので、コードをいじってみました。修正した内容は、http://gist.github.com/297312 からとれます。
ルールが「人に優しい」変更ということなので、CGI版(http://gist.github.com/290532)をベースに、以下の修正を加えました。
- 使うのにWebサーバをたてるのが面倒なので、Webサーバ機能を搭載して、単体でWebアプリとして動作するようにしました。
- 単語のテストを黙々とやっているのもつまらないので、効果音が鳴るようにしました。(ただし、SafariとFirefoxのみ)
- コードを分かりやすくするため、機能単位にモジュールで分割してみました。ただ、かなり巨大なコードになったので、結果的に分かりやすくなったかどうかはよくわかりません。
Mosh対応とか、さらなるリファクタリングとか、他にも修正したいことはありますが、時間制限があるのでこれくらいで切り上げます。
Shibuya.lisp Tech Talk #3
Shibuya.lisp Tech Talk #3に参加してきました。参加された皆様、お疲れさまでした。
今回は、TTでc-wrapperの話をさせていただきました。
今回も全体的に内容が濃かったのですが、LTが少なめだったのがちょっと残念かも。
touchpad.el
EmacsでThumbSenseみたいなことをやるためのelispを作ってみました。これを使うとタッチパッドに触れながらキーを押したときに任意のコマンドを実行できます。
必要なもの
Section "InputDevice" Identifier "Synaptics Touchpad" Driver "synaptics" Option "SendCoreEvents" "true" Option "Device" "/dev/psaux" Option "Protocol "auto-dev" Option "SHMConfig" "on" # <- この行を追加 EndSection
インストール方法
- touchpad.elをダウンロードして、load-pathが通ったディレクトリに置く
- .emacsに以下の定義を追加する
(require 'touchpad) (touchpad-start)
使い方
タッチパッドに触れると、カーソルの点滅が停止し、カーソルの色が変わります。この状態でキーを押すと、touchpad-global-set-key, touchpad-define-keyで定義されたコマンドが実行できます。定義していない場合は元のglobal-set-keyやdefine-keyで指定されたコマンドが実行されます。
タッチパッドに触れた領域に応じて実行するコマンドを変えることもできます(最大4つ)。領域は以下のように考えます。
タッチパッドの領域
デフォルトの設定では、タッチパッドのどこの位置に触れても同じ振る舞いをしますが、カスタマイズ変数touchpad-horizontal-separator-position, touchpad-vertical-separator-positionを指定することにより、タッチパッドを以下のような最大4つの領域に分けて振る舞いを変えることもできます。
horizontal separator | (0,0) v +---------------+----------------+ | | | | Region 0 | Region 1 | | | | +---------------+----------------+ <- vertical separator | | | | Region 2 | Region 3 | | | | +---------------+----------------+
horizontal separator, vertical separator はそれぞれタッチパッド上のx, yの座標値を設定します。この座標値は多分タッチパッドの種類ごとに異なると思うので、synclient -m 100 とかして調べてください(このコマンドを実行してタッチパッドに触るとx, yの座標が表示されます)。
horizontal separator, vertical separatorにnilを指定すると、セパレータなしになります。例えば、horizontal separatorに整数値、vertical separatorにnilを指定すると領域は横に2分割されます(左からRegion 0, Region 1)。両方にnilを指定すると領域は1つだけになります(Region 0のみ)。
コマンド&関数
- touchpad-start
- タッチパッドの監視を実行するためのコマンドです。タッチパッドを触るとカーソルの点滅が止まり、カーソルの色が変化します。タッチパッドの状態はmode-lineにも表示されます("TP:〜"のように表示されます)。
- touchpad-stop
- タッチパッドの監視を停止するためのコマンドです。
- touchpad-global-set-key
- タッチパッドが押された状態でのグローバルなキーバインディングを変更するための関数です。(touchpad-global-set-key n key def)のように指定し、nでタッチパッドの領域番号を指定します。key, defはキーとキーが押されたときに実行する定義を指定します。ここは基本的にglobal-set-keyと同じです。
- touchpad-define-key
- 指定されたキーマップで、タッチパッドが押された状態のキーバインディングを変更するための関数です。(touchpad-define-key n keymap key def)のように指定し、nでタッチパッドの領域番号を指定します。keymap, key, defはキーマップ、キー、キーが押されたときに実行する定義をそれぞれ指定します。ここは基本的にdefine-keyと同じです。
- touchpad-pressed-region
- タッチパッドが押されている領域の番号を返します(0~3の数値)。押されていないときはnilが返ります。
カスタマイズ変数
- touchpad-polling-interval
- タッチパッドの監視のポーリング間隔を指定します(ミリ秒の単位)。デフォルトは10msです。
- touchpad-cursor-color-0 ~ touchpad-cursor-color-3
- タッチパッドが押されたときのカーソルの色を指定します(末尾の番号が領域の番号に該当)。デフォルトは "red", "cyan", "green", "brown"となっています。
- touchpad-horizontal-separator-position
- タッチパッドの左右の区切り線の位置を指定します。nilを指定すると、左右の区切りをなくします。デフォルト値はnilです。
- touchpad-vertical-separator-position
- タッチパッドの上下の区切り線の位置を指定します。nilを指定すると、上下の区切りをなくします。デフォルト値はnilです。
使用例
;; タッチパッド + w でウィンドウを大きくし、タッチパッド + q でウィンドウを小さくする (touchpad-global-set-key 0 "w" 'enlarge-window) (touchpad-global-set-key 0 "q" 'shrink-window)
;;; SKK用の実験的な設定です ;;; ;;; タッチパッドを押している状態が漢字、離すとひらがなの指定になります。 ;;; ただし、タッチパッドの押下状態の判定はそれほど鋭敏でないので、 ;;; 実際に使うとなると、ちょっといらいらするかもしれません ;;; ;;; 入力例:「本日は晴天なり」 ;;; ▽ほんじつ ;;; -------- ;;; タッチパッドを押しながら入力 ;;; 本日は ;;; -- ;;; タッチパッドを離して入力 ;;; 本日は▽せいてん ;;; -------- ;;; タッチパッドを押しながら入力 ;;; 本日は晴天なり ;;; ---- ;;; タッチパッドを離して入力 ;;; (defadvice skk-insert (before touchpad-skk-insert-ad (&optional arg parg)) (when (or (and (not (eq skk-henkan-mode 'on)) (touchpad-pressed-region)) (and (eq skk-henkan-mode 'on) (not (touchpad-pressed-region)))) (setq last-command-char (upcase last-command-char)))) (ad-activate 'skk-insert)
LT動画をアップロードしました
2008/10/18に行われたShibuya.lispで発表したLTをニコニコ動画にアップロードしました(録音データとスライドをあとから合成したものです)。
Shibuya.lisp Tech Talk #1
Shibuya.lisp Tech Talk #1に参加してきました(LTでdyncompの発表をしてきました)。スタッフおよび参加された皆様、お疲れさまでした。
以下感想など。
- 表に出ていませんが、意外と皆さん、インハウスでLispを使っているんですね。他言語に比べてコアが小さく柔軟性が高いので、独自処理系を作るための障壁が低いのでしょう。
- mitamex4uさんの発表で「現実のプロジェクトでどうLispを導入していくのか」と言う点が面白かったです。ただ、ちょっと引っかかったのが「再帰じゃなくてループを書きたい」というところ。確かにこういう意見はよく聞くのですが、本当にみんなループを書きたいのだろうか、とちょっと疑問に思っています。本来、状態遷移として表すべきところを単にループ+フラグで書いてしまっているだけなんじゃないだろうか? この場合、再帰で表現した方が素直なんじゃないかと思います(状態遷移を素直に表現すると相互末尾再帰になるので *1 )。
- ゲームに使うだけあって、Ypsilonの性能にかける情熱が半端でないです。その中でも、スタックトレースをきちんと出す、という姿勢はきちんと立ち位置(エンドユーザにも使ってもらう)を考えていてよいなと思いました。